kailh lofree flowのショートストローク化を最適化しようと以前こんな記事を書いた。
しかしマイハウスには3Dプリンターもあるわけだし、どうせなら自分でもっと良い方法を探るべきと思いショートストローク化するパーツを作る事に。既製品に頼る時代は終わりを迎えつつあるかもしれない。
kailh lofree flowの構造とパーツの位置
パーツを作るに辺りKailh lofree flowの構造を把握しておく。とはいっても前回で大体の構造は把握できているので、ここは手間ではなかった。
kailh lofree flowシリーズを分解するとこのようなパーツに分けることが出来る。大体のキースイッチはトップハウジングとボトムハウジング、ステムにバネの4つのパーツで構成されており、クリッキータイプのスイッチだとバネがもう一つあるといった具合。

kailh lofree flowスイッチの総ストロークで遊びが出来る部分がこの赤枠で囲った部分。トップハウジング側とボトムハウジング側の画像部分に隙間を埋めるパーツを作成すれば今回の任務は完了。

取付パーツの位置でメリットが変化する
構造を見れば当たり前のことだが、ボトムハウジング側とトップハウジング側でメリットが変化する。
ボトムハウジング側は1.3mm程度と大きくストロークの距離を縮める事が可能。アクチュエ―ションポイントを変化させずにストローク距離を縮めたいならボトム側のみにパーツを取り付ける。スプリング部に圧が一切かからないので、押下圧や戻りは多少軽くなる。

逆にトップハウジング側は0.8~1mm程度とストローク距離はあまり稼げないものの、アクチュエ―ションポイントまでの距離を狭める事が可能というメリットがある。常にステムが少し押された状態になるのでスプリングへの圧も多少増す。
詰めれる高さはghost>phantom>wizardの順に下がっていく。wizardがあまり詰めれないのはクリック機構が有り、高さを詰めすぎるとクリック機構が上手く働かないため。

パーツ作成
パーツ作成に辺り、3Dプリントで出力する3Dモデルを作成する。3Dプリンター用モデルはAutodesk社のFusion等のCADソフトが一番作成に向いているが、今回は使い慣れているBlanderを使用。ガチで作るなら寸法がしっかり図れるCADソフトの方が良いが妥協。CADソフトよくわからん。
トップハウジング側
トップハウジング側は上に空いていた溝を埋めるパーツを作成。
軸部分の湾曲に合わせてカーブした形状に。前述した通り、トップハウジング側はクリッキータイプのwizardやタクタイルのphantom、リニアのghostで詰めれる高さが違うので複数案作成。

ボトムハウジング側
ボトムハウジング側のパーツはスプリングへの干渉と、キースイッチの固定部分への干渉を避ける様設計。
ボトム側はクリック機構を気にする必要が無いのでlofree flowキースイッチ全種共通で使える。

プリント、パーツ取付
完成したのがこちら。

このパーツを先ほどの画像の赤い部分にはめ込んで元に戻せば完成。

今回作成したのはwizardスイッチ用なのでトップハウジング側パーツはかなり薄い。

取付前と取付後の比較
トップハウジング側変更前と変更後。0.3~0.5mm程度しか下がってはいないがwizardではこれが限界値。ghostならもう少し下がる。


ボトムハウジング側変更前と変更後。こちらは1.3mm程度稼げているので目に見えて違う。押下時も明らかに到達までが下がった。


ボトムハウジング側のみboothで販売中
せっかく作ったので販売してみる。再三言っている通り、トップハウジング側はlofreeスイッチの種類によって高さを変える必要があり、販売形態がややこしくなるため販売は考えていない。
ボトムハウジング側はlofreeシリーズ共通の高さなので共通ショートストローク化パーツとして販売することに。
Kailh lowfreeをショートストローク化したいならご検討を。

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