現在主流になっている映像音出力端子のHDMI、そんなHDMIにも種類がある事をご存じだろうか。
今回はHDMIの種類を解説しつつ、CS機がサポートしている規格をまとめて紹介していこうと思う。
HDMIの種類と規格

え、HDMIってどれも同じじゃないの?
と思ってる人も結構いるんじゃないかな。HDMI端子にもUSBの様に様々な規格が存在する。
USBは規格によってUSB1.2は白、USB2.0は黒、USB3.0は青と絶縁プラスチック部分が変わっているので見た目で分かるが、HDMIはどれも同じ見た目。色分けすればいいと思うのだが何か理由があるんだろう。
そんなHDMIは「1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、2.0、2.1」の7つで分けられており現在は「1.4」や「2.0」が主流で使われている。
この数字が変わることによって何が起きるかというと「帯域幅」というのが変わってくる。帯域幅は簡単に言えばデータの転送量が多いか少ないかを表すもので、規格の数字が上がれば帯域幅も増えるといった感じになる。そのほかにも帯域幅が変わることによって色々な機能が実装されたりしているのだが今回は省く。
規格 | データ帯域幅 |
1.0 | 4.95Gbps |
1.1 | 4.95Gbps |
1.2 | 4.95Gbps |
1.3 | 10.2Gbps |
1.4 | 10.2Gbps |
2.0 | 18Gbps |
2.1 | 48Gbps |
上記はHDMI規格7つのデータ帯域幅を表したもの。
帯域幅が増えれば当然データ転送量も多くなるので4Kに対応できたり、120Hzでの描写が可能になる。
7つの対応解像度と対応フレームをまとめるとこんな感じ。
HDMI規格 | フルHD 1920×1080 |
WQHD 2560×1440 |
4K 3840×2160 |
5K 5120×2880 |
HDMI1.0 | 60Hz | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
HDMI1.1 | 60Hz | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
HDMI1.2 | 60Hz | 30Hz | 非対応 | 非対応 |
HDMI1.3 | 144Hz | 75Hz | 30Hz | 非対応 |
HDMI1.4 | 144Hz | 75Hz | 30Hz | 非対応 |
HDMI2.0 | 240Hz | 144Hz | 60Hz | 30Hz |
HDMI2.1 | 240Hz | 240Hz | 240Hz | 120Hz |
上記の7つの派生で末尾に「A」と「B」がついている規格もあり、それぞれ下記のような違いがある。
HDMI1.2a | CEC ( 制御信号によるコントロール )追加 |
HDMI1.3a | 機器間の制御機能の追加 |
HDMI1.4a | 3Dフォーマットにトップアンドボトム方式を追加 |
HDMI2.0a | HDR (High Dynamic Range) フォーマットの伝送に対応 |
HDMI2.0b | HLG (Hibrid Log Gamma) フォーマットの伝送に対応 |
当たり前だが、「モニター」「ケーブル」「出力機器」すべてバージョンが同じかそれ以上でなければ性能は発揮できないので注意。
HDMIは端子でバージョンの判別はできないが規格事に名称があるのでそちらを確認してもらえると大まかではあるがわかる。大まかではある。
HDMI規格 | ケーブル |
1.3以前 | HDMI Cable |
1.3/1.4 | High Speed HDMI Cable |
2.0 | Premium High Speed HDMI Cable |
HDMIは2002年にHDMI1.0が発表されそこから20年かけてバージョンアップが繰り返されている。2002年の画面出力はまだSD画質(720×480)の時代。RCA端子(赤白黄色)が主流の時代にHDMIはちょうど生まれたことになる。結構長いね。
前提知識としてHDMIの規格は上記の様に分けられてるよってざっくり話したけどこれ以上は主題と関係なくなるのでカットする。もっと詳しく知りたい人はちもろぐ兄貴のブログを見てもらえれば100%わかるようになるから気になる人は見てみてほしい。
CS機別対応HDMI規格
ここからはCS機で対応しているHDMI規格をまとめていく。
HDMIが搭載し始めたPS3やwiiU世代からのCS機からまとめようと思う。
PS3
まずはPS3。私のFPSを始めた原点でもあるCS機。
型番 | 対応規格 |
CECH-A series | HDMI1.3 |
CECH-L series | HDMI1.3 |
CECH-2000 | HDMI1.3a |
CECH-2500 | HDMI1.3a |
CECH-3000 | HDMI1.3a |
CECH-4000 | HDMI1.3a |
PS3は初期型まではHDMI1.3でCECH-2000からはHDMI1.3aが対応規格となっている。


あれ?PS3って「3D機能」なかったっけ?
地デジ化が進み3Dテレビなる物が流行った時代の流れに合わせてPS3も3Dに対応していたはずだが「3D機能」はHDMI1.4で正式に搭載された機能。HDMI1.3のPS3には3D機能を搭載することは本来不可能のはず。
規格を調べ間違えたかいろいろ探ってみると4gamerさんが過去にこんな記事を書いていた。



なるほどつまりPS3はHDMI1.3だが帯域幅が同じのため、疑似的に3D機能を実装させることができたということか。PS3凄い。あと4gamerさんもこんなこと記事にするのすごい。
初期型はHDMI1.3だったが、CECH-2000からHDMI制御に対応しているので2000以降はHDMI1.3aになったと思われる。
wiiU
PS3とは発売時期がかなり違うが任天堂ハードでHDMIに対応した最初の機種がwiiUである。発売日は2012年11月18日。
型番 | 対応規格 |
Wii U | HDMI1.3 |
wiiUはベーシックモデルとプレミアムモデルが存在するが、他のハードと違って型番ごとによるマイナーチェンジがない。HDMIは1.3が対応規格。


スプラ専用機にはHDMI1.3で十分だということか
XBOX 360
箱〇はHDMI非搭載のコアシステムモデルとHDD搭載20GB/60GBモデル、エリートモデルの3種類が初期型として存在し、その他に電源の電圧が14.2Aの中期型、12.1Aの後期型が存在する。
型番による電源周りの違いはあるがそのほかの変化は調べたところない。
型番 | 対応規格 |
XBOX360(コアシステムモデルを除く) | HDMI1.2 |
XBOX360エリートからHDMIとHDDが搭載され、HDMIの規格は1.2が採用されている。
まったく関係ない話になるけど、面白いのがXBOX360エリートの発売日から見えるPS3のスペックの高さ。
先述した通りPS3はHDMI1.3を搭載している。XBOX360エリートの発売日は2007年3月18日だがPS3はなんとその4か月前の2006年11月11日とPS3の性能の高さが垣間見える。XBOXも性能はいいイメージだったからこれは驚いた。
XBOXはゲームとして売り出したがPS3はブルーレイプレイヤーやナスネを使ったレコーダー機能などを押したゲーム機だったのでHDMI1.3を採用したのかな。


もう物を売るってレベルじゃねーぞ
PS4+PS4pro
PS5の国内販売がすくなすぎる所為でいまだ現役のPS4。
プレステはマイナーチェンジが豊富な割に型番もしっかり書いてあるからまとめやすい。
型番 | 対応規格 | |
PS4 | CUH-1000 | HDMI1.4 |
CUH-1100 | HDMI1.4 | |
CUH-1200 | HDMI1.4 | |
CUH-2000 | HDMI1.4 | |
CUH-2100 | HDMI1.4 | |
CUH-2200 | HDMI1.4 |
PS4のHDMI規格は1.4。続いてPS4 PRO。
型番 | 対応規格 | |
PS4 pro | CUH-7000 | HDMI2.0 |
CUH-7100 | HDMI2.0 | |
CUH-7200 | HDMI2.0 |
アップスケーリングによる4Kに対応したPS4 proはHDMI2.0を導入している。出力としては4K60FPS出力は可能だが、PS4proの性能不足でほとんど4K30FPSでの動作だったりする。
しかもネイティブ4Kではなくアップスケーリングした4Kなので通常の4Kには落とる中途半端なPS4 pro。
XBOX oneシリーズ
PS4と同時期に出たXBOX。
型番 | 対応規格 | |
Xbox One | 5C5-00019 | HDMI 1.4a |
Xbox One S | ZQ9-00041 | HDMI 2.0 |
Xbox One X | CYV-00015 | HDMI 2.0 |
XBOX oneはPS4と同じ時期でHDMI1.4aに対応。
XBOX one S/XはPS4 proと同時期に発売。対応HDMI規格はHDMI2.0。
XBOX one SはPS4pro同様4Kをアップスケーリングしたものになるが、XBOX one Xはネイティブ4K出力対応になっている。
Switch シリーズ
現行機で最低スペックながらもソフトの力とPS5がおざなりな所為で国内1強になっているswitch。
型番 | 対応規格 | |
Switch | HAC-001 | HDMI 1.4 |
HAC-001-(01) | HDMI 1.4 | |
Switch (有機ELモデル) |
HEG-001 | HDMI 2.0 |
Switch Lite | HDH-001 | 無 |
有機ELモデルのみHDMI 2.0に対応している。
有機ELモデルが出たとき4K出力が可能ということで少し話題にはなった。しかし出力が可能な状態になっただけでスイッチの性能ではフルHDが限界。



PS5
現行CS機で最強スペックを誇るPS5。なお国内では手に入らない模様。SONYは国内市場軽視しまくり。
型番 | 対応規格 | |
PS5 | CFI-1000 | HDMI2.1 |
CFI-1100 | HDMI2.1 |
流石現行最強CS機の一つ。現状最高規格のHDMI2.1に対応している。


PS5はいつになったら市場に安定してまわるのか
XBOX series X/S
最後にXBOX series X/S。PS5の対抗馬のはずだしPS5が国内でこけてるのになぜか国内で流行ってくれない残念ハード。
型番 | 対応規格 | |
Xbox Series S | RRS-00015 | HDMI2.1 |
Xbox Series X | RRT-00015 | HDMI2.1 |
こちらも現行最強ハードなだけあってHDMI2.1に対応。
XBOX Series Sは付属HDMIケーブルが2.0のもののため気にする人は別途HDMI2.1のケーブルが必要になってくる。HDMI2.0が付属の理由はXBOX series Sでは4K60FPS以上の性能を出すことができないからだと思われる。


XBOXはもっと流行れ
まとめ
最後にCS機別対応HDMI規格をまとめた表を出しておく。
型番 | 対応規格 | |
PS3 | CECH-A series | HDMI1.3 |
CECH-L series | HDMI1.3 | |
CECH-2000 | HDMI1.3a | |
CECH-2500 | HDMI1.3a | |
CECH-3000 | HDMI1.3a | |
CECH-4000 | HDMI1.3a | |
Wii U | HDMI1.3 | |
XBOX360(コアシステムモデルを除く) | HDMI1.2 | |
PS4 | CUH-1000 | HDMI1.4 |
CUH-1100 | HDMI1.4 | |
CUH-1200 | HDMI1.4 | |
CUH-2000 | HDMI1.4 | |
CUH-2100 | HDMI1.4 | |
CUH-2200 | HDMI1.4 | |
PS4 pro | CUH-7000 | HDMI2.0 |
CUH-7100 | HDMI2.0 | |
CUH-7200 | HDMI2.0 | |
Xbox One | 5C5-00019 | HDMI 1.4a |
Xbox One S | ZQ9-00041 | HDMI 2.0 |
Xbox One X | CYV-00015 | HDMI 2.0 |
Switch | HAC-001 | HDMI 1.4 |
HAC-001-(01) | HDMI 1.4 | |
Switch (有機ELモデル) |
HEG-001 | HDMI 2.0 |
Switch Lite | HDH-001 | 無 |
PS5 | CFI-1000 | HDMI2.1 |
CFI-1100 | HDMI2.1 | |
Xbox Series S | RRS-00015 | HDMI2.1 |
Xbox Series X | RRT-00015 | HDMI2.1 |


良かったら何かの参考にしてみてほしい。
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