私はもうこの機種を持っていないのだが、かなり古い機種であるこいつを今でもかわいがっている人に向けてこの問題が起こった時の対処を書き留めておこうと思う。
購入後数週間で印刷時にZ軸がピタリとも動かなくなる
私がこの問題に直面した経緯を一応載せておく。
ヤフオクにて中古で購入し、数週間は何の問題もなく動いていた。Anycubic Photon Zeroは小さい筐体ながらも、最低限の印刷品質を保ってくれていたし稼働音も小さく好感触だったのだがある時突然フリーズ。
印刷開始時にZ軸が一瞬だけ「コッ」と音がしてそのまま動かずに終わるといった症状で、再度印刷しようとすると普通に動いたり動かなかったりとにかく不安定。
ファームウェア更新等を試してみるも全く改善しない。

このままじゃ使い物にならないので取り敢えず同じ症状がいないか確認してみるとちらほらと同じ症状の方が。
春に買った #Anycubic Photon ZeroがZ軸が動かなくなったのでサポートに連絡したらマザボ送るから自分で交換してね!って
— ブラインドeレーサー🏎いちほまれ🌾🦖福井ではたらく技術士(建設部門)🦀 (@FUKUeRACER) December 16, 2021
やはり日本企業とは考え方が違う。
予想はしていたので届いたマザボをようやく時間が取れたので交換してみた。
所要時間30分程で完成。
無事に動き出した! pic.twitter.com/0yry8NvtEy
数々の報告を見るにどうやらマザーボードの既知の不具合らしく、ソフトウェアでは直せない事がわかった。
日本語記事だとマザボ交換で直りましたって解決策が多かった。
回避策の模索
手っ取り早いのはマザーボードの交換だが、私が購入した2022年当時でもうマザーボードが売ってない。
サポートに問い合わせてみたが、この機種古いからマザボ在庫無いわって言われて終了。

マザーボード売ってない?
流石に在庫ないわ
割と詰んでる状態だが、何とかこの問題を回避できないかRedditを漁っていたら有力情報発見。
このクソだのボロクソに言われてるPhoton Zero君。全くその通りだ。
この記事を見るに、どうやらAnycubic Photon Zeroは印刷時のLCD発光+LCD側のファン+本体排気ファンを3つ同時に動かそうとすると電圧不足に陥りZ軸が全く動かなくなってしまうという事らしい。まさかの電圧不足。
そしてこの電圧不足はそもそもの電源が足りないわけではなく、本体側面の排気ファンをマザーボードを介して電力消費すると、何故かステッピングモーターかステッピングドライバーが電流、電圧取得が出来なくなるといったマザーボード不具合。
なんやそれ。
Redditで紹介されていた回避方法
側面ファンをマザーボードを介して電力消費するとZ軸が動かないってだけなので、単刀直入に言うと側面ファンをマザボから取り外すだけでちゃんと動作”は”する。

しかし、この側面排気ファンはLCDを冷やすために稼働しているので繋がないで動作させるのは危なっかしい。
そのためRadditでは本体側面ファンを直接電源回路部分に配線し、回避する方法をとっていた。コントローラーを介さないのでファンはフル回転ではあるものの発熱の面では安全性も高い。
Reddit回避策に則ってアレンジして直してみる
これで直し方もわかり、取り敢えず私のAnycubic Photon Zeroの本体側面のファンを外して印刷してみたら無事動作。100発100中。
Raddit通りに本体電源から直接配線し回避をしても良いのだが、電源周りに直で配線をするのが何かあった時怖いので、今回は側面ファンのみ外部電源からとる事に。
電源直配線だと下記アイテムは購入しなくてよいので安上がりかもしれない。今回はやり方を調べてないのでわからないが、電源直配線はRedditで調べれば出てくると思う。
必要な物
側面ファンは12V電源用なのでよくあるUSB電源のような5V出力の電源からは取ることが出来ない。
そのため、今回はこんなものを購入。

アイネックスさんから発売している、5Vから12Vに昇圧してくれるケーブル。こいつを使って側面ファンのみUSB電源から取り入れる事にした。
それと側面ファンのコネクターはXHコネクターなので通常のPCファンのコネクターに交換する必要がある。
昇圧ケーブルのピンが3ピンタイプの形状なので3ピンの物を購入。2ピンだと刺さらないので注意。

今回は端子を変える必要があるのでかしめ工具も必要。精密用のかしめ工具は一つ持っておくと何かと便利。
昇圧ケーブル取付け
まずはファンケーブルを引っこ抜く。
確か一番左側のが側面ファンだったはず。今は現物所持してないのので申し訳ないが、取外しの際に自分で伝って側面のファンか確認して欲しい。

下の部分から取り出し。

コネクタ取り換えの為にチョキン。

被覆を剥いてかしめる。

取り付けて完成。後は昇圧ケーブルにつないで、5VUSBコンセントからとればOK。

修復完了
これでPhoton ZeroのZ軸問題の修復は完了。多少ファンの音はうるさくなったものの、何の問題も無く使える様になった。
今更ではあるもののこいつを使っていてPhoton ZeroのZ軸問題に悩まされている方はご参考にどうぞ。

教訓:困った時はRedditで調べる。
コメント